不妊治療マニュアル

タイミング法

タイミング法は、不妊治療の中でも初期の段階で行われる治療法で、基本的には排卵日に合わせて性交渉を行うことで妊娠の確率を上げようとするものです。不妊検査で男女ともに大きな問題が見つからなかった場合などは、特にこの方法を続けることが多くなります。避妊をしていなくても、女性が妊娠可能な日というのは1ヵ月でほんの数日。排卵日前後に性交渉を行っていないとために妊娠に至っていない夫婦は意外と多いものです。排卵は体の中で行われる上に、自覚症状があるわけではないので自分でもいつ排卵が起こっているかは特定しづらく、生理不順の女性は特に、排卵日がいつなのかを判断するのは難しくなります。その排卵日をきちんと把握するために、基礎体温を記録して医師に相談し、このあたりだというという予測を行って、さらに排卵検査薬も併用して排卵日を特定します。排卵日当日に性交渉を持つのはもちろん、予測をもとに3日前にも行っておくという場合もあります。精子は女性の体内で3日ほどは生存可能なので、予測から実際の排卵日がずれても対応できるように一度精子を送り込んでおくわけです。さらに、排卵日に性交渉を行ったら翌日に病院でフーナーテストを受け、精子が子宮内でどのような状態でいるかを調べます。さらに、妊娠が成立していた場合には着床が行なわれるはずの1週間後に黄体ホルモンの分泌量と、この時期の子宮内膜の厚さが十分あるかどうかをチェックします。子宮内膜の検査は超音波検査によって調べますが、黄体ホルモンの量は血液検査で分かるので負担はあまりありません。これがタイミング法による一連の検査です。治療前の検査で排卵そのものがスムーズに行われていないことがわかっている場合には、排卵誘発剤を使って排卵を促し、そのタイミングで性交渉を行うなど、排卵誘発剤とタイミング法の併用が行われます。タイミング法は体にかかる負担はかなり少ない治療法で自然妊娠に近い形で妊娠できる方法ですが、この日に必ず性交渉を持たねばならないというプレッシャーがストレスになる場合もあります。特に、男性は強要されると性交渉を持つことに消極的になることも少なくないので、出来るだけ自然なムードで排卵日だと伝えるようにするとよいでしょう。

 

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