男性が不妊検査に協力的かどうかによって、女性の不妊治療への精神的な負担もずいぶん違ってきます。不妊の原因は男女半々にあるということがわかった現在でも、不妊治療は女性が行うものであって、自分がかかわるのは嫌だという男性は意外と多いものです。自分に不妊原因があったらと思うとなかなか検査する気にならないという人もいますが、男性の検査は女性の検査に比べるとはるかに負担は小さくなります。もちろん異常が見つかった時には再検査やさらに詳細な検査が必要な場合もありますが、子どもを授かるかどうかは夫婦二人の問題ですから、二人で検査を受けるようにしましょう。
男性の検査の場合、まずは精液検査を受けるのが基本です。これは、精液の量や精子の数・運動率・奇形率などを調べるもので、精液さえあれば検査をすることができます。病院の個室で自分で精液を採取する場合もあれば、専用の容器を渡されて自宅で採取して女性が病院へ持参する場合もあり、自宅での採取にすれば男性は病院に出向く必要すらないので負担はほとんどないといってもよいでしょう。精子は温度変化に弱いので、自宅で採取して女性に託す場合は持ち運ぶ際にカイロなどで温めながら運んだり、自分の肌着の内側で人肌の温度を保ちながら運ぶなどしてできるだけ早く病院に持っていくことが必要です。検査結果は10分程度でわかることが多く、すぐに説明してくれるので結果に問題なければとても簡単な検査です。本来、こうした検査を1ヵ月の間に2回受けるのが望ましいと言われており、それで問題なければ男性の不妊検査は問題なしということになります。もしもこの検査で問題が見つかったら、精巣の組織検査を受けるのが一般的です。精巣の組織検査は局所麻酔をかけて、精巣の組織を少し採取して行う検査で、痛みはありませんし入院の必要もありません。さらに検査が必要な場合には、精悍レントゲン検査や逆行性射精の検査、ホルモン検査などを行うことになります。これらの検査はほとんど保険が適用されますが、一部適用外の検査もあります。ちなみに、精液検査は保険が適用されることが多く、数百円から数千円でできるところがほとんどです。
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