不妊治療マニュアル

女性側の検査

女性側の不妊検査は、基礎的な検査として何種類もの検査を受ける必要があるので、検査だけでも何度も病院に通う必要があります。しかも、排卵期や高体温期、低体温期など、体の周期に合わせて検査を行わなければならないので、場合によっては検査だけで何か月もかかることもあるのです。

女性の不妊検査を行う上で、体のサイクルを把握するために必要となるのは基礎体温です。基礎体温は、一定のサイクルで上下することで排卵日を特定したり、高体温期と低体温期の境を判断するために必要なので、できればあらかじめ記録しておいて、不妊の相談に病院に行くときには2〜3ヵ月間の基礎体温のデータが持参できるようにしておきます。もちろんデータがないまま病院に行っても問題なく相談には乗ってくれますし、基礎体温の測り方から詳しく教えてもらえるものですが、事前にサイクルがわかっているほうが、検査が早く進行します。時期に合わせて行われる検査としては、排卵日の朝に性交して頸管粘液中の精子の状態を調べるフーナーテストなどを行います。この検査では、子宮の中を精子が通過できているかどうかを調べることができますが、頸管の粘液が精子を通しにくくなっていたり、精子の運動率が低くて子宮を通過できなかったりする場合は体外受精が必要だと判断されることもあります。また、排卵日やその2〜3日前には頸管粘液の検査を行います。頸管粘液とは、いわゆるおりもののことで、排卵日前後に増えるのが一般的です。この頸管粘液の分泌量が少なかったり成分に問題があったりすると、妊娠しにくくなるのです。月経終了後から排卵日までの間に行う検査としては、子宮卵管造影検査です。これは卵管の閉塞や癒着を調べるもので、かなり重要な検査です。ただし、造影剤を入れるための器具を子宮に装着して造影剤を流し込む際に人によってはかなり痛みを伴うことがあるので、女性によってはやや負担の大きい検査だといえるかもしれません。さらに子宮の形や子宮筋腫の有無などを調べる超音波検査を行います。すべての検査を終えるにはかなり日数も必要ですので、焦らずに検査を進めていくようにしましょう。

 

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