不妊治療マニュアル

不妊とは

不妊専門のクリニックができるなど不妊に悩む人は少なくありませんが、実際のところ、不妊とはどのような状態をいうのでしょうか。日本産婦人科学会では、不妊について「ある一定期間、性生活を行っているにもかかわらず、避妊しないで2年以上妊娠に成立をみない場合を不妊という。その一定期間については1年から3年までの諸説があるが、2年というのが一般的である。」と説明しており、一見細かく定められているようですが、期間も「一般的」といっているだけで特に指定しているわけではありませんし、性生活の頻度に関しては言及もしていません。ただし、統計によると避妊をすることなく定期的に性生活を行いながら男女が生活をともにする場合、1年で85%、2年で90%以上のカップルが妊娠すると言われており、やはり2年経っても妊娠しないというのは不妊だと考えてもよさそうです。とはいえ、不妊は妊娠していない状態を指すのであって、それ自体が病気というわけではありませんし、90%以上が妊娠すると言っても10%近く、つまり10組に1組は妊娠しないわけですから決して珍しいことではありません。しかし、2年というとあっという間のように感じますが、妊娠を望んでいる状態での2年というのは本人にはとても長く感じられるもの。毎月の生理が来るたびに、妊娠していなかったことに落胆する生活は、とても精神的に負担が大きいといいます。妊娠できずにいることをストレスに感じる時点で本人にとっては不妊だと言ってもいいくらいです。不妊を解消するためには、その原因を特定して改善し、性生活をコントロールするなど非常にデリケートな問題を解消しなければならないので、決して簡単なものではありません。医者との信頼関係も大切ですし、不妊治療自体がストレスになっては逆効果だともいわれています。不妊治療を止めた直後に自然妊娠した人もいれば、不妊治療が実を結んで念願の赤ちゃんを授かったという人もいるのです。不妊治療を始めるべきかどうか、どの程度の治療をするべきかなど、不妊治療は夫婦でしっかり話し合いをしながら進めていきましょう。

 

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