不妊症と不育症
避妊をせずに性交渉を定期的に行っているにもかかわらず、2年以上妊娠の兆候がない場合は不妊症と呼ばれ、妊娠しにくい原因を調べることになります。その原因は、精子や卵子がきちんと排出されていない場合もあれば、子宮の形状に異常があって着床しにくくなっている場合、ホルモンの分泌が上手くいっていない場合などさまざまで、こうしたケースでは受精や着床そのものが上手くいっていないので妊娠の兆候も表れません。そのため不妊症と呼ばれるのですが、一方で不育症というケースもあります。不育症とはその名のとおり、育つ過程でトラブルが起きる症状で、妊娠はするんだけど流産や死産を繰り返すことを言います。流産というのは全体でも10%程度の人が起こす確率があると言われており、決して珍しいことではないのですが、同じ人が何度も繰り返すことはあまりありません。実際、2回連続で流産する確率は5%以下であり、3回連続となると1%前後になってしまいます。そうなるとやはり何らかの原因があると考えるのが自然であり、女性の負担を考えても早めに治療を行うことが望ましいといえます。女性の体は妊娠した瞬間から赤ちゃんの成長や出産のためにホルモンの分泌が変化し、早い人は3ヵ月にならないうちからつわりが始まります。もちろん流産をするとホルモンの分泌も元に戻ってつわりもなくなるのですが、そんな体調の変動を繰り返すことは、体にとってはかなりの負担です。不育症は治療によって改善し、80%以上の人が無事出産を迎えられることがわかっていますので、不育症かもと思ったら早めに医師に相談して検査を受けてみるとよいでしょう。原因は人によって異なっており、子宮の形態に異常がある場合もあれば、血液や染色体に原因があるものなどさまざまです。検査の内容などが不安だという人は、医師に相談する前にカウンセラーと話ができる場合もありますので、自治体のホームページなどで調べてみるといいでしょう。 |